マニラの中心地、マカティにある日本人経営の英会話学校、GrandLineについてです。
Grandlineのホームページはこちらになります。
最近、2017年4月6日、オンライン英会話で有名なRareJobと業務提携した語学学校です。
オンライン英会話サービス事業を運営する株式会社レアジョブ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中村 岳、以下「レアジョブ」)は、フィリピンの語学留学事業を運営するGrandline Philippines Corporation(本社:フィリピン共和国マカティ市、代表取締役:金光 淳規、以下「Grandline」)と語学留学事業参入を目的として、資本業務提携契約を結びました。
出典:オンライン英会話レアジョブ、 ビジネスパーソン向けフィリピン留学のGrandlineと資本業務提携 語学留学事業に本格参入
ここで1時間体験レッスンとレベルチェックを受けてきましたので、その体験談を含めて報告します。
目次
Grandline ホームページ間違い指摘
授業料はマカティで一番高い
トップページにマカティ内で「トップレベルの安さ」と書かれています。
でも、実際はマカティでトップレベルの高さです。
4週間6時間マンツーマン授業で比較してみます。
学校名 | 費用(円) |
Grandline | 483,600 |
EB (English Break through) | 169,500 ※1 |
WEXCEL | 218,000 |
PJLink Language Center | 最安値 ※2 |
C21 | 209,650 ※3 |
※1:最も高額な部屋、一人部屋Eの料金(153,000円) + SSP費用(16,500円)の合計
※2:50分 400ペソ。マカティで最安値だが宿泊費込みの料金は要問い合わせ。
※3: 最も高額なプラン、Business English(Intensive)コースの料金 + SSPの料金。
1,770$ × レート110 + 6,500ペソ × レート2.3
マニラにも語学学校はたくさんあり、初級者対象でビジネス英語はおろそかな学校もありますので、上記はGrandlineと同等以上のビジネス英語を提供している語学学校で比較しています。
宿泊費も一人部屋の最も高額なコースで比較しています。
ご覧のように、Grandlineが最も高額です。
留学だけでなく通学コースもあるのですが、そちらは1時間600ペソです。
ですが、その金額にVAT税が含まれていませんので、600 × 1.12 = 672ペソ。
やはり高いですね。
WEXCELと同じぐらいでしょうか。
少し僕のデータに補足しますと、マカティ地区と呼べる学校はPJLink Language Centerになります。
他校はマカティではありません。
似たような高額の語学学校の存在は確認できたのですが、そちらは安さをアピールされておらず、費用も資料請求しないと分からない状況です。
マカティで費用を公表されている語学学校は他にもあるのですが、そこは初級者対象なので今回の比較対象にならないので割愛しています。
いずれにせよ、(マカティ地区ではないものの)他校に比べて圧倒的に高額であることに変わりはないです。
それでいて、何をもって安さをアピールされているのかが理解できません。
「他校に比べて高額だけど、授業内容は高品質」とアピールされるのなら理解できるのですが。
利便性の良くない場所
トップページにはまた「利便性高い土地」と書かれています。
ですが、実際は非常に利便性の良くない場所にあります。
Grandlineの場所ですが、Googleマップでは以下になります。
MRT(電車)の駅から離れており、バス停からも離れているため、タクシーしか交通手段がありません。
企業が集まるビジネスの中心地、Ayala avenueという大通りからも少し離れています。
学校が提供するプランの宿泊施設、Jazz Residencesからは近いですが、道は汚いです。渋滞も酷いです。
生活面ですが、マカティにはGreenbeltという大きなショッピングモールがあるのですが、そこからも少し離れています。
SM Jazzは小さいので快適に過ごすにはCentury City Mallを利用することになるでしょうが、渋滞が酷く、また徒歩は危険と思います。
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補足しますと、以前はメインオフィスはAyala avenue沿いだったのですが、今はメインはこちらの墓地の前のほうになったようです。
ですので、虚偽というよりは、メインの校舎は利便性が悪い場所と指摘しておきます。
周辺の環境
お伝えしたように、Grandlineの周辺は汚く、渋滞がひどく、徒歩は危険と思います。
以下周辺の写真です。
(Grandline)

(Grandline周辺)




(SM Jazz)

レベルチェックテストが劣悪
体験レッスン時にレベルチェックテストを受けたのですが、それが最低でした。
受講日: 2017年6月30日
内容: レベルチェックテスト
おそらく、学校側が意図的にやったと思っているのですが、ここまで酷いテストは経験したことはありません。
Readingテスト:このプリントは何?質問のプリントは?
長文が2問あり、それぞれ質問が3問だったと思います。合計6問。
確か5つの選択肢から選択だったと思いますが、どれかを選択するのではなく、該当するもの全てを選択する形でした。
- テストに全く関係ないプリントを配布
問題用紙2枚が配られ、そのうち1枚は試験とは全く関係ないプリント。しかも、内容は難しい単語がたくさんあって、A4一枚のかなりのボリュームの長文。 - 問題のプリントが足りない
2問目が長文のみで肝心の問題の質問文のプリントが配られなかった。 - 試験時間は変わらず
上記2点の不備を指摘し、その確認のため担当の先生は他の先生と相談して試験が中断しているにも関わらず、テストの時間は変わらず。結果、2問目は長文を読むことすらできず。
とにかく、テストに全く関係ないプリントを読まされ、それにものすごく時間を費やしてしまったため、時間が足りませんでした。
さらに言えば、通常TOEICのPart7では、文章に対して「この文章の目的は何か?」と質問があるのですが、このテストでは、以下の選択肢から適切な質問でないものはどれか?という見たこともない問題でした。
それも答えが複数あれば全て選択です。
内容は忘れましたが、例えば、長文の内容が契約のやり取りのメールだったとして、それに対する選択肢の中に、「体の調子は良くなった?」とあれば、それは明らかに文章とは関係ないのでその選択肢を回答、といった感じです。
実際はそんな単純な分かりやすいものではなかったです。
なので、長文は読めて内容は理解できても答えられない問題でした。
そもそも、「質問なんだから何を質問しても構わないだろ」と思うのですが。
Listeningテスト
大きく2問あり、1つはスピーカーが何を言ったかを全て書く問題で、1つは長文の内容に正しければTRUE、間違いであればFALSEを選択するという問題でした。
それぞれTEST1、TEST2として不満を指摘します。
[TEST1]:全部書き取るの?
3問あったと思います。
飛行機の機内アナウンスと他は忘れました。
いずれにせよ、以下酷い内容でした。
- 書き取る内容がものすごく長い
- 連続して問題が再生されるので、書き取る時間がない
音声はTOEICのPart2よりも長いです。
言うならば、Part4の一語一句全て書き取るという問題です。
正しいものを選択肢から選ぶというものではありません。
何か例文がないか検索してみたところ、近い問題を見つけました。
Ladies and gentlemen, welcome onboard Flight 4B7 with service from Hong Kong to San Francisco. We are currently third in line for take-off and are expected to be in the air in approximately seven minutes time. We ask that you please fasten your seatbelts at this time and secure all baggage underneath your seat or in the overhead compartments. We also ask that your seats and table trays are in the upright position for take-off. Please turn off all personal electronic devices, including laptops and cell phones. Smoking is prohibited for the duration of the flight. Thank you for choosing Mountain Airlines. Enjoy your flight.
この文章を全て書き取るというものです。
さらに、一問終わると休むことなく連続して次の問題が再生されます。
無茶苦茶です(笑)。
[TEST2]:TRUE or FALSEの質問は?
こちらも3問あったと思いますが、長文のナレーションの後にその内容にあっていればTRUE、間違っていればFALSEを選択するということだったのですが、質問が流れてきません。
通常TOEICですと、音声が女性から男性の声に変わって質問が再生されるのですが、その変化が全くなかったです。
ナレーションの声のままでも質問が流れればいいのですが、聴こえてきませんでした。
僕はリスニングはTOEIC本番でも8割正解しているので(練習では9割以上)、ナレーションの内容も聴き取れましたし、ましてやTRUE or FALSEの質問を聞き逃すことはありえないのですが、再生されませんでした。
「あれ?」と思っているうちに次の音声が再生されたので、「いや、いや、質問は?質問がないんだけど」といって2回再生してもらいました。
それでもやっぱり聴き取れませんでした。
先生は別の先生に確認したのですが、「難しいからね」で済まされました。
Writingテスト: 問題が抽象的すぎて…
ある課題について自由に文章を書くというテストです。
課題とは、
誰かがあなたのホームタウンまたは国にやってきたら、何を提案しますか?
というもの。
誰?日本人?外国人?会社の人?
目的は?観光?ビジネス?
与えられた問題が抽象的すぎて日本語で書けと言われても書けません。
先生に確認したところ、「何でも言いので書け」と言われました。
一般的にWritingテストがこういうものかは知りませんが、僕としては、
「ある外国人が初めて日本に観光にやってきました。どこに連れて行き、どういう観光を提案しますか?」
といった形で書いてくれればすぐにイメージがつき、書き始めることができるのですが。
結果、先生に確認している時間、シチュエーションを考える時間にほとんどを費やし、writingの文章は少なくなってしまい、実力を発揮できませんでした。
Speakingテスト: 特に…
Speakingテストの内容は、住んでる場所や趣味とかを聞かれれる程度で特に不満はなかったです。
ただ、質問内容がそういった日常会話であるなら、それでビジネス英会話が可能かどうかのレベルチェックにはならないと思うのですが。
レベルチェックテストの結果が…
試験翌日にAssessment Resultというファイルがメールに添付されて送られてきました。
レベルチェックテストの結果、以下のように判定されました。
- Reading
HB - Listening
HB - Writing
LI - Speaking
LI
HBはHigh Beginner、LIはLow Intermediateのことです。
総合結果は、Low Intermediate。
Speakingは仕方ないかな〜とは思います。
コミュニケーションは取れますが、流暢ではないですし、簡単な日常会話に凝った表現はできませんでしたので。
ただ、その他のReading、Listening、Writingは納得がいかず、メールで抗議しました。
要望していたレッスン内容
レベルチェック前、またレベルチェック後にもどういったレッスンを受けたいかを詳しく説明し、要望していました。
簡単には以下内容です。
自分はフィリピンでのビジネスを少し考えているので、そういったビジネスを始めるための、または、経営に関する知識を英語で勉強したい。専門的な部分が難しければ、経理や財務といった一般的なものでも構わない。
ホームページには「カリキュラムはカスタマイズが可能」と書かれているので要望しているのだが、もしそれができないなら素直に「できない」と回答して欲しい。
それに対し、学校側から「もちろん、カリキュラムのカスタマイズは可能。だだし、高いレベルだったらね」との返答でした。
この時点ではどういったテストか分からなかったので、ここで一旦レベルチェックテストを受けることにしました。ただ、少なくともここフィリピンで半年近くフィリピン人相手に仕事をしていたこと、英語でコミュニケーションが取れてビジネス用語も理解していることは伝えていました。
ですが、レベルチェックテストの結果に送られてきたカリキュラムが、ビジネス向けではあるものの簡単な教科書を使っての内容のようで、希望していた内容とは違っているようでした。
実際レッスンを受けていないので詳細は分かりませんが、どうも、この学校もTOEICまたは一般英会話の単語をビジネス単語に置き換えた程度の英会話レッスンしかなく、先生もまたビジネス経験がないのでビジネスについて教えられない。だから、レベルチェックテストに理不尽を強いて強制的に初級レベルに落としたかった、と推測します。
抗議した結果…
7月2日、3日、5日、10日、14日、さらに、17日には代表に直接電話で抗議したのですが、相手にしてもらえず、無視されました。
一応最初は以下返答がありまだよかったのですが、それでも「だから、レベルチェックテストの試験方法がおかしいのではないか?」と何がどうおかしいかを詳しく書き、回答を求めたところ、その後は徹底して無視です。
Thank you for your email.
We would like to apologize if we were not able to meet your expectations.
Although, we are not closing our doors for other business opportunities with you.
Thank you very much for your time,
総括
この学校がターゲットとしている顧客は経済的余裕のある企業のビジネスマンであり、B to Bビジネスです。
費用をなるべく抑えて良質なレッスンを望む個人顧客は、儲けにならないのであまり相手にしていないに思えました。
この学校に研修にこられるビジネスマンも、英語があまりできないので通うということから、高度なビジネス英語のレッスンは必要ないということもあり、やはりTOEICレベルで良いということでしょう。
また、RareJobと提携したことで世間的に信頼性を得ていることや、企業間であれば特にSNS等で炎上して信頼性低下ということもないでしょうから、うるさい客は無視という判断だと感じました。
よって、ホームページの虚偽内容を含め授業内容も(費用の安い)他の語学学校と同じようなレベルであることから、あえてこの学校を選ぶ必要はありません。
「ここで3ヵ月レッスンを受けるくらいなら、セブ留学を半年すればよかった」と後悔することでしょう。
僕がこのGrandlineに対して実際に送ったメール本文が↓です。