「英語公用語」は何が問題か 著者: 鳥飼玖美子

「英語公用語」は何が問題か 著者:鳥飼玖美子




鳥飼玖美子さんとこの本について

著書の鳥飼 玖美子(とりかい くみこ)さんは日本で有名な同時通訳者です。
アポロ11号の月面着陸や大阪万博などの国際的なイベントにおいても活躍されています。

NHKの英語番組にも長年講師として出演され、その中でもニュースで英会話においては、日本のニュースを通じて英語で発信する力の育成に貢献されています。

その英語の同時通訳者の第一人者ともいえる方が、誰もが英語必須を要求する現代の日本に対して疑問を投げかけています。

「英語と仕事どちらが重要か」を考えたとき、英語は英語堪能な通訳者にまかせたらいい。なぜ誰もが英語を使いこなさないといけないのか?(英語以外の)専門分野の仕事に従事している人はその専門分野に集中するのが本来あるべき姿、という意見です。

この本では、日本の英語公用語化の動きと鳥飼さんがそれに否定的な理由が書かれています。
全体的に、いろいろな文献からの引用を引っ張ってきて現状の日本の英語事情を説明しており、鳥飼さんの意見が少ない印象を受け、少し物足りない感じがしました。
ただ、英語の同時通訳者の第一人者ともいえる方が、「国民全員が英語を勉強しなくてもいいでしょ」と一貫して否定的なことに、一読の価値があります。

英語公用語と国際化について

序章、1章では、英語を公用語とすべきか?それによる弊害はないのか?を考察しています。
実例として、社内で英語を公用語に取り入れたことで有名な楽天グループとユニクロのファーストリテイリング、そして、英語堪能を必須に社長を募集したユーシンをあげています。

この動きに対して、「やり過ぎでしょ?」というのが鳥飼さんの意見。
実例であげた企業の英語公用語化の目的は、「国際化という流れの中で、世界で通用する人材が必要」とのこと。

鳥飼さんの言うように、企業の言いたいことは分かるが、「国際化に対応する」イコール「英語が堪能になる」か?ということが疑問。

「英語を学ぶことが国際化というなら、なぜ中国語や韓国語も習得しろとはならないのか?」と矛盾点を鳥飼さんは指摘しています。
ただ、そういったことよりも、言語の習得イコール国際化ということでないと僕は思うのです。

日本家電メーカーの衰退と韓国企業の躍進の理由

実例として、日本の大手家電メーカーの衰退と韓国企業の躍進がありますね。
亀山モデルで一世を風靡したシャープは経営難に陥り、台湾の鴻海という企業に買収されました。
その他日本の大手家電メーカーのほとんどが同様に経営難に陥りました。
一方で、シャープ韓国の家電メーカー、SamsonやLGは急激に躍進し、今ではアジア、ヨーロッパ、アメリカ市場を席巻しています。

なぜ、このような違いが起きたのか?
韓国の家電メーカーは進出する国の現地のニーズを徹底的に調査し、その国に最も適した価格帯、機能、仕様にカスタマイズして販売したからなんですね。
そのために、従業員を現地に送り込み、1年、2年と長期間現地で生活させた、従業員を現地の人と同じ目線でアイデアを出せるようにしたからなんですね。
これこそ本来企業が人材に要求すべき国際化だと僕は思うんです。

現地の言語は分からなくてもいいんです。
技術者や企画設計者が英語や現地の言語を学ぶ必要はなく、日本語と現地の言語両方を話せる人を雇えばいいんです。

英語より重要な能力とは

日本経済団体連合会が実施した、新卒採用に関するアンケート調査の結果が、1章で述べた英語を公用語化した企業と全く違う結果がでている、という面白い内容でした。
最も重視する項目は、ダントツでコミュニケーション能力という結果。
この章では、英語力より重要なものは何か?が書かれています。
外資系の有名企業の社長ですら、「外資系で本当の英語力が求められるのは、本社の上層部と直接やりとりする経営陣、せいぜい3%くらい」とのこと。
外資においても、ビジネスで通用する英語が堪能な人を雇う場合、日本以外で人材を確保します。日本で日本人を採用しているので、企業が求める能力は別のもの、例えばコミュニケーション能力ということであり、英語はそこまで求められていないとのこと。
その他、TOEICについて、英語学習には終わりがないことについて書かれています。

これから就活を始める大学生はこの章を読んでおいたほうがいいですね。

会社内の英語の必要性

実際ここに書かれている通りだと僕も思います。
大企業に長年勤めてましたが、海外支店との重要な会議では英語堪能な帰国子女が通訳していました。
それ以外の通常業務のメールのやり取り等で英語が必要になれば、まずは通常業務の者が直接英語で対応しますが、それでうまくいかなければ別の英語ができる人にバトンタッチまたは間に入ることから、全員が英語ができなくても回る仕組みでした。
むしろ、「英語で仕事がしたいから、そういう仕事をさせてくれ」といってもそういう英語必須の業務は回ってきません
転職活動でもそうでしたが、英語必須の業務は限られています。
英語必須の仕事に就きたいなら、海外で探したほうがいいです。
日本にも海外で働きたい人向けの転職求人サイトがあります。

英語を勉強する時間があるなら、専門分野のさらなる向上に力を入れたほうがいい、というのが日本の企業のほとんどだと思います
求人募集の要求事項にあるTOEICの点数が取れたらそれでOKです。
世界で通用するビジネス英語の勉強は日本ではまず無理です。
もちろん、フィリピン留学はなおのこと無理です。TOEICの点数を上げるだけですから。

コミュニケーション能力についてですが、自分の意見を言えない、言えても論理的に議論できない、反論が論点とずれているなど、そもそも日本語でコミュニケーションの取れない人が大勢います。
ただ、日本の場合、社内政治的、上からの圧力など外的要因がものすごく多いので、結果的にコミュニケーション取れないように振舞っている人も中にはいますが。

その他まとめ

その他、

  • 国民総バイリンガルは日本の独自文化や日本語を滅ぼしてしまうのでは?といった疑問
  • 英語の学習方法
  • 日本の英語教育

等幅広く現状の日本の英語について書かれています。

その中でも過去の総理大臣の英語に関する珍話は笑えました。
日常会話を英語でコミュニケーションできるレベルは必要と思います。
ただ、企業間の契約や国益がかかわるような会談等、重要な会議は英語専門の通訳者に任せるべきという点に同意します。

これから就活を始める大学生、会社を辞めて語学留学を検討している人、まずはこの本を読んで英語の勉強の必要性についてじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

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