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フィリピン 日系IT企業をオススメしない理由

フィリピン IT

2017年1月から5ヵ月間、フィリピン マニラの日系IT企業で駐在員として働きました。

その経験とこれまでのフィリピンでの調査の経験から、フィリピンの日系IT企業はオススメしません。数ある選択肢の中で最悪です。

その理由を説明します。

フィリピン 日系IT企業

実態

一言でITと言ってもいろいろ種類があるので一概には言えないのですが、基本的にフィリピンの日系IT企業の業種は以下のどれかです。

  1. 日本の下請け事業
  2. 客先常駐派遣事業
  3. クラウドソーシング仲介事業

表向きはオフショア開発、ブリッジSEといった横文字のカッコいいイメージがありますが、基本的に日本のIT業務を安く請け負うだけの下請け企業です。自社開発する能力や環境がありません。

フィリピンで自社開発がある場合、開発はクラウドソーシングで優秀な日本人にやらせて、テストはフィリピンで、といった工程と推測します。

僕はフィリピンの老舗の日系IT企業に駐在員として就職しました。

数ヵ月の試用期間中にマニラで日本の下請け底辺業務を学んだ後、それを自動化するプログラムの開発業務を日本の親会社で開発、つまり、客先常駐派遣させられるところでした。

給与の1/3は海外手当だったので、要は、ベテランエンジニアを低賃金で日本の親会社に客先常駐派遣する企業だったため辞めました。

ちなみに、僕の前任者のべテランエンジニア、その前の前任者もそうだったとのことです。

なお、テスターと呼ばれる下請け底辺業務を行うフィリピン人エンジニアの管理業務は、実務経験の短い日本人エンジニアに任せます。

フィリピンのブリッジSEは技術的なスキルアップにつながらないマネージメント業務です。

詳細は後述に説明しようと思います。

就職するには?

フィリピンの日系IT企業に就職するのはたいして難しくないです。

職探しはフィリピン掲示板等の日本人向けの求人サイトで簡単に見つかります。

ですが、その場合は現地採用になるため給料はかなり低く、いろいろリスクもあるのでおすすめしません。

フィリピンの日系IT企業に就職するなら、最低でも駐在員として就職することをおすすめします。

ここで気になる必要な英語力ですが、フィリピンの日系企業は求職者にそれほど高い英語力は求めていません。

フィリピン 就職 英語力

フィリピンで就職するために必要な英語力は?

2020年4月21日

TOEICの点数は700点あれば十分です。800点も必要ないです。

ただし、英語以外のITスキルが必要です。

フィリピン 日系IT企業の種類

ITの基礎知識として、ITには以下のようにいくつか種類があります。

ITの種類

  1. Web制作
  2. Web系アプリ
  3. 業務系アプリ・システム
  4. 組み込み系
  5. 家庭用ゲーム
  6. AI
  7. スマホアプリ・ゲーム

僕はこの中の組み込み系の業種でフィリピンの日系IT企業に就職しました。

その組み込み系の実態を説明する前に、まずはそれぞれのIT業種の簡単な説明とそれら日系IT企業の実態を僕なりに推測してみます。

Web制作

Webサイトの開発業務です。

いわゆるフロントエンドと呼ばれる部分で、HTML、CSS、JavaScriptといった言語を使って開発します。

Web デザイン スクール 比較

【2022年】Web制作・Webデザイン 始め方とスクールを比較・検討

2020年5月20日

フィリピンでもマニラ、セブ島にWeb制作開発の日系IT企業がいくつかあるようです。

なお、フィリピンではWebの宣伝媒体はFacebookが主流です。企業でもWebサイトをそれほど必要としていません。

さらに、フィリピンにはWebサイトに力を入れることのできる資本力ある企業は限られています。

よって、フィリピンの日系Web制作企業の実態は、クラウドソーシングですら受注してもらえない安価な仕事を請け負う企業と考えられます。

ただ、フィリピン人に「いい感じに作っておいて」といった曖昧な指示では仕事は回りません。おそらく、「英語を学びながら…」といったフィリピン特有の誘い文句で、実質日本人に低賃金でWeb制作させているのでは?と推測します。

Webアプリ

Webサイトの中の開発業務です。

いわゆるバックエンドと呼ばれる部分で、Webサイトで受けた命令を処理する側の開発で、Ruby、Go、PHP、JavaScript(フレームワーク含む)といった言語を使って開発します。

Web プログラミング スクール 比較

Webプログラミング 始め方とスクールを比較・検討

2020年12月30日

このレベルの開発ができるフィリピン人はフィリピンのトップクラスにあたり、それら優秀なエンジニアを雇うにはアメリカやオーストラリアの企業との取り合いになり、日本人より高い給与で雇うことになります。

また、そういった業務もやはり顧客は日本の企業です。

日本企業に直営業して仕事を受注し、開発はクラウドソーシングで優秀な日本人にやらせて、テストはフィリピンで、といった工程と推測します。

業務系アプリ・システム

企業の業務データを処理するシステムの開発業務です。

経理、購買のデータをWebサイト等で入力したものを適切にデータベースに保存、取り出すシステムの開発で、Java、VB.netといった言語、Oracle、SQLServer等のデータベース、AWS等のクラウドサービスを使って開発します。

当事者から聞くところによると、フィリピンの大学でもIT系の学部ではJavaを学習しており、またマニラにもOracle支社があるとのこと。ですので、フィリピン人エンジニアでもシステム開発できる土台はあるようです。

ただ、先を考えられない・予測の出来ないフィリピン人にそういったシステム開発を全て任せられるとは到底考えられません

また、業務系アプリ・システム開発においては、日本には優秀な日本人エンジニアをフィリピン人より安く雇うことのできるブラック体質の労働環境も整っています。

フィリピンの日系IT企業がフィリピン人エンジニアを雇って開発することは日本の企業競争力の観点から合理的ではないです。

よって、おそらくこの業務系部分を請け負うことのできる日系IT企業は存在しないでしょう。あったとしたら、4次請け、5次請けといった最底辺の孫請け企業と推測します。

もしくは、日本企業に直営業して仕事を受注し、開発はクラウドソーシングで優秀な日本人にやらせて、テストはフィリピンで、といった工程と推測します。

組み込み系

ICチップに埋め込まれるプログラム開発業務です。

車のエンジン制御やカーナビ等で使われていて、限られたメモリ空間にプログラムコードを埋め込む必要があるため、ハードに近い言語、C、C++、C#といった言語で開発されます。

フィリピンの大学でもIT系の学部ではC言語を学習しており、マニラに組み込み系を扱う日系IT企業がいくつかあるので、フィリピン人エンジニアでも組み込み系開発できる土台はあります。

ですが、フィリピン人エンジニアが受け持つ業務はプログラミングではありません。Excelにテスト結果を入力するだけの検証業務です。

僕がマニラの日系IT企業で勤めていた分野になるので、後述で詳しく説明します。

家庭用ゲーム

PS5、Switchといった家庭用のゲーム開発です。

C、C++、C#、Unityといった言語や開発環境で開発されます。

僕が最も実務経験の長い分野です。

フィリピンの大学でもIT系の学部ではC言語を学習しているので、一見フィリピン人エンジニアでも家庭用ゲーム開発ができる土台はあるように思えます。

ですが、数学はおろか算数もできないフィリピン人には無理です。

Unity開発環境であれば行列演算等の数学の知識は必要ないかもしれませんが、行列が何かすら知らないフィリピン人に数学で培われる思考力はないので無理です。

その他フィリピンのインフラ事情等々問題がたくさんあるので、おそらく家庭用ゲームを開発できる日系IT企業は存在しないでしょう。あったとしても、キャラクターデザインのみ、デバッグのみで、プログラミング業務ではないと推測します。

AI

いわゆる人工知能と言われる分野で、大量のデータから最適解を導き出し、結果を学習して進化するプログラム開発です。

Pythonという言語で開発されます。

AIには高度な数学の知識が必要です。

統計・確率等の数学はおろか算数もできないフィリピン人には無理です。

AIを請け負うことのできる日系IT企業は存在しないでしょう。あったとしたら、名ばかりAIの4次請け、5次請けといったデータ入力検証業務を請け負う企業と推測します。

スマホアプリ・ゲーム

iPhone、Androidのアプリ開発です。

iPhoneならSwift、AndroidならJava、Kotlin、React Nativeといった言語やUnity等の開発環境で開発されます。

まず、フィリピンにスマホアプリに課金する文化、購買力はありません

なので、顧客は日本の企業でしょう。

なので、フィリピンのスマホアプリ開発事業は日本のクラウドソーシングの仲介事業(中抜き)と推測します。

日本の顧客は直接クラウドソーシングで日本人エンジニアに発注すれば良いのでしょうが、テストが必要なため、その業務を安価で担うフィリピン企業にまとめて発注しているものと思われます。

組み込み系 日系IT企業の問題点

記事が長くなったのでページを分けます。

需要があれば続きを書こうかと。