「セブ島留学がコロナでキャンセルになった」 「QQ Englishがお金を返してくれない」 「 フィリピン留学ラジオに助けを求めたけど相手にされない」 |
世界中でコロナ感染が広がる中、フィリピン留学で有名なセブ島では、「学校側の都合で留学キャンセルになったのに、返金してもらえない」と問題になっています。
被害者の生徒がセブ島の有名メディアに相談しても相手にしてもらえないそうです。
フィリピン留学の辛口の口コミで有名なサイト、フィリピン留学ラジオも同じくただ静観しているだけのようです。
ただ、全額返済の約束を守らない学校を擁護する発言があり、その姿勢を見て、「フィリピン留学ラジオも終わったな」と感じました。
ここではセブ島留学の闇を知らない方向けに少し情報をシェアしておこうと思います。
目次
セブ島留学とコロナ返金騒動
セブ島留学とコロナ返金騒動については、以前のこちらの記事で書いた通りです。
要約すると、世界中でコロナ感染が広がる中、今後ロックダウンや休校措置を危惧したQQ Englishは、
「セブ島にコロナウイルスはありません。世界一安全な場所なので是非日本から逃げてきてください」
「もし日本に帰国するようなことがあったら、全額返金します」
と宣伝し、生徒を集めました。
結果、やはりセブ島の語学学校もコロナの影響で休校になったのですが、約束を守らずに返金しないという姿勢を貫いている状況です。
QQ Englishだけでなく、今セブ島では
- 学校側の都合で留学キャンセルになったのに、返金してもらえない
- (飛行機のチケットが高すぎて)お金がないので日本に帰国できない
等ロックダウンから1ヵ月経った今もなお留学も出来ずにセブ島に取り残された留学被害者が大勢いるとのことです。
生徒からの相談
セブ島のロックダウンの時期、2020年3月、SNS等でセブ島留学被害者がいろんなメディア等に返金の相談をしました。
僕の方からも次のようにアドバイスしてあげています。
フィリピン留学ラジオは信頼できる。ネガティブ情報もありのまま発信してくれる。きっとコロナ特集してくれるだろう。認知度も高い。
その他フィリピン系YouTuber等影響力のある人に相談したらよい旨もアドバイスしました。
フィリピン留学ラジオの回答と分析
その後たくさんの被害者から相談を受けたフィリピン留学ラジオは以下のようにサイトで見解をアップしました。
コロナが続けば学校は潰れます。コロナの被害者は、生徒だけではないです。学校もエージェントも国もみんな被害者です。生徒に全額返金すれば、先生の雇用を守れません。すでにフィリピンではたくさんの先生が失業しています。いつまで続くか分からない状況ですから、全額返金しないから悪い学校だとは思っていないし、全額返金をアピールしてる学校もなんとも思っていません。
冒頭で述べたように、全額返済の約束を守らない学校を擁護する発言です。
これを見て思いました。
「フィリピン留学ラジオも終わったな」
と。
ただ、フィリピン事情や今回のコロナ騒動を知らない人がこの回答を見ても何とも思わないでしょう。
実際、この状況が続けば学校は潰れますし、フィリピン人の雇用は守れません。
全額返金も事前にそのリスクを説明されていれば生徒側に負担を求めるのも良いでしょう。
ですが、状況は違います。
「セブ島は世界一安全な場所。何かあったら全額返済する」と約束しながらも返金せず、学校が潰れないための資金源にするという語学学校の姿勢は悪質です。
なお、フィリピンに数年滞在してる経営者なら今後休校措置が起きることは予測出来たことです。
少なくとも、マニラでコロナ騒動が起きた2月末の時点で、留学希望者にそういったリスクを伝えることは出来ています。
つまり、今回の返金拒否の語学学校側の姿勢は、事前に学校が潰れることを危惧して、嘘をついて留学費用を集めたと考えるのが自然です。
フィリピン留学ラジオの発言は、そういった悪質な語学学校を擁護していると言えます。
語学学校が潰れてフィリピン人教師は困るか?
フィリピン留学ラジオの以下発言についても解説しておきます。
「コロナが続けば学校は潰れます。生徒に全額返金すれば、先生の雇用を守れません」
結論を言うと、「学校は潰れるかもしれないし、先生は解雇されるかもしれない。でも、フィリピン人は誰も困らない」になります。
フィリピン人先生の給料
「語学学校が潰れてもフィリピン人先生は困らない」を説明するにあたり、そのフィリピン人の給料がいくらかを見てみます。
もし語学学校がフィリピン人に比較的多くの給料を支払っているなら、高待遇の語学学校が潰れるのはフィリピン人教師にとって痛手と言えるでしょう。
では、実際はどうでしょうか?
そこでフィリピン人の求人サイト、Mynimoの英語教師の求人情報を見てみます。
3D Academyの求人募集が出ています。
Job Description:
- Teach English face to face
- Instruct students who are natives of other languages i.e. Japanese, Taiwanese, Russians, Arabians, Chinese and others
- Teach basic English skills such as speaking, reading, and writing
など
Work Schedule: 8-5PM, 5 days a week (weeksdays only)
Salary: P8,000 – P10,000 / month
(2020年3月2日付け)
その求人情報の詳細はこちらにありますが、そのうちリンクは切れるでしょうから抜粋しておきました(全体もPDF保存済み)。
なお、この3D Academyは僕自身が留学経験があるのでそれなりに状況を知っています。
話を戻して、給料は月8,000ペソとのこと。
週5日勤務ですので、平均20日勤務で計算すると一日あたりの給料が分かります。
3D Academyの先生の給料は一日400ペソになりますね。
日給400ペソが高いか?
「語学学校が潰れてフィリピン人が困るか?」は「日給400ペソが高いか?」を判断すれば良いことになります。
まず、セブ島の最低日給を見てみましょう。
重要なのでもう一度言います。日給400ペソです。時給ではありません。
CNN Philippinesにこのような記事を見つけました。
Once approved, non-agriculture establishments with more than 10 workers in Metro Cebu will have a daily minimum wage of ₱404. For businesses with less than 10 workers, the minimum wage will be ₱396.
(Nov 27, 2019 )
出典: ₱18 daily wage hike for Central Visayas workers approved by regional board
最新の最低日給は396ペソです。
つまり、3D Academyの先生はセブ島の最低日給で働かされてると言えますね。
他の職種の給料は?
語学学校が最低日給でフィリピン人を雇っているので、他の職業の給料を調べる必要はもうないのですが、一応見てみましょう。
誰でも応募可能な職種で比較してみます。
カフェ&レストランの求人募集が出ています。
JOB QUALIFICATIONS:
If you’re the right person for this position, you must be TOUGH, CURIOUS, DRIVEN & have PRIDE in your work with at least one (1) year experience as a Cook.
など
Salary: P10,000 – P15,000 / month
(2020年3月16日付け)
その求人情報の詳細はこちらにありますが、そのうちリンクは切れるでしょうから抜粋しておきました(全体もPDF保存済み)。
応募要件にNo Experienceとあるので、未経験者は月10,000ペソということですね。
一方、3D Academyは月8,000ペソでしたね。
3D Academyのフィリピン人先生は誰でも働ける職種より安い給料で働かされてると言えるのではないでしょうか?
低賃金で働かされてるフィリピン人教師の証言
僕は3D Academyで3ヵ月留学経験があり、(することがないので)ほとんどのレッスンはフリートークしてました。
なので、語学学校のフィリピン人教師から直接いろいろ聞いています。
その中で本件に関連する証言をいくつかあげてみます。
シャワーは水
フィリピン人教師の家のシャワーは水です。お湯は出ません。
その頃はフィリピン人教師は比較的給料が良いと思ってたので「なぜ?」と聞きました。
「ホットシャワーが使えるのはホテルだよ」
その返答が意外だったので今でも忘れません。
ちなみに、それでもまだ良いほうで、他の先生の家にシャワーはなく、川で体を洗ってると聞きました。語学学校、3D Academyで働く大卒の英語教師がです。
強制的に与えられた制服は給与天引き
3D Academyに留学した最初の頃先生の服装は自由でした。
それがある日学校の方針で制服を着るように義務付けられました。
その方針自体は語学学校の自由ですが、与えられた制服は給与から天引きされたと聞きました。
ただでさえ低賃金で生活に困っているのに手取りはさらに少なくなってました。
英語教師を辞めて焼き鳥屋
これは3D Academyではなく別の語学学校、サウスピークで英語教師として働いていたというフィリピン人から聞いた話ですが、給料が低すぎるので実家の焼き鳥屋を手伝うことにしたとのこと。
言うまでもないですが、焼き鳥屋はストリートフードです。儲かる職業ではなく、誰でもできる職業、低賃金の職種です。
その低賃金の焼き鳥屋よりもサウスピークの英語教師の給料は安いとのことです。
それを比較するデータは探してないので確証はないですが、先ほどの3D Academyの求人情報と大差はないと考えれば容易に想像できます。
語学学校は潰れても良い 代替案
以上から、セブ島の語学学校が潰れてもフィリピン人教師は困りません。
他の職種に付けばいいだけです。
英語力を活かすならコールセンターでも良いでしょう。
ただ、「コールセンターは生活スタイルが逆転するのでやりたくない」と言ってた先生はいましたが。
では、オンライン英会話の先生はどうでしょう?
オンライン英会話の先生
オンライン英会話もセブ島にはたくさんあります。
僕はこれまでいくつかオンライン英会話を試してます。
その中でもネイティブキャンプは100回以上レッスンを受けていて、そのほとんどをフリートークにしてるので、先生からいろいろ話を聞いています。
そこで感じたのが、ネイティブキャンプの先生はイキイキと教えてる印象でした。
「以前は語学学校で働いていたけど、今は給料も増えて、家で働けるので嬉しい!」
そういった喜びの声をよく聞きました。
3D Academyの先生のような不満をこらえて仕方なく働いているのとは明らかに違ってました。
まとめ
こういったことから、セブ島の語学学校が潰れてもフィリピン人教師は困りません。
フィリピンの雇用情勢を悪用し、日本人留学生を騙すような語学学校はこの際、むしろ、潰れて欲しいです。
フィリピン留学ラジオがなぜそういった悪質な語学学校の肩を持つのか?
僕はフィリピン事情にそこそこ詳しいのでその理由だけでも数記事は書けます。が、今回はこの辺りでやめておきます。
「貧困フィリピン人に食料を配布してます」アピールでコロナ騒動を自らのために利用している日本人(語学学校含め)も目立ちます。
これも裏事情を解説することはできますが、やはり長くなるので今回は割愛します。
ただ、これだけは言っておきたいです。
日本人が本当にフィリピン人にしてあげるべき支援というのは、フィリピン人に笑顔で長く働ける環境を作ってあげることではないでしょうか?
フィリピン人を苦しめる悪質な日本人経営者をフィリピンから排除することが重要と思うのです。
では、フィリピン人のために今日本人が日本でできる支援とは何か?
それは、オンライン英会話で先生をたくさん指名してあげることではないでしょうか?