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老害限界集落の農地の活用が「絶望」である理由

限界集落 農地 絶望

地域おこし協力隊で一時期話題になった、限界集落の農地の活用。

ですが、自治体のずさんな対応や老害によってモチベーションの高かった若者は遠ざかり、地域おこしの活動は沈静化し、今ではあまり聞かれなくなりました。

老害限界集落の農地の活用が「絶望」である理由を、そこで生まれ育った私が説明します。

老害限界集落の現状

限界集落とは、過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になった集落のことを言います。

中でも、老害が原因で過疎化した限界集落を、ここでは老害限界集落と定義します。

その老害限界集落の一つとして、西宮市船坂という私の育った村があります。

よそ者を排除する老害が昔から続いており、それによって今では昔からその村に住む高齢者だけの集落となってしまいました。

兵庫県最悪の老害限界集落です。

農業では、昔はパセリが特産品としてありましたが、過疎により出荷場が閉鎖となり、さらに農家の高齢化に伴って今では多くの田畑が耕作放棄地となっています。

私の家もまた数年前まで亡き父が趣味で果樹園をしていましたが、手の施しようがない状態で放棄しています。

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限界集落の農地の活用

限界集落の農地活用を検討します。

考えられる方法として以下があります。

  1. 農地を賃貸借
  2. 転用
  3. 農地の規模拡大による生産効率化
  4. 農地の観光地化

農地を賃貸借とは、農地を個人や団体に貸し出すことです。

農地の転用とは、農地を駐車場にしたり、家や工場を建てたり、コンビニやレストランを建てたりすることを言います。

農地の規模拡大とは、個々の農家が所有する農地を買い取って一つの大規模農地にし、生産効率を上げて商業価値を上げることです。

農地の観光地化とは、観光資源としての価値を高めることです。生産効率の低い農地でも商業価値を上げることができます。例えば、フィリピンにある世界遺産バナウェの棚田があります。

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結論を先に言うと、限界集落の農地は活用できません。絶望的な状況です。

農地の賃貸借

農地を所有する者は農地法に従わないといけません。

農地とは、その名の通り、農業をするための土地、というのが原則にあります。

農地を個人や団体に貸し出す場合でも以下の条件を満たす必要があります。

  1. 「個人の農家」に農地を貸借する場合の条件
    以下全てを満たすこと。
    ・借り手が「農家」
    ・経営耕地面積が10a(1000平方メートル)以上
    ・年間の農作業従事日数が原則150日以上
    ・貸借農地と自宅との距離(通作距離)規制
    ・新規に就農する人は、農業委員会にて総合的に審議あり
    ・一般的な市民が家庭菜園を目的としての貸借は不可
    ・西宮市の農地は農地中間管理機構(農地バンク)を利用できない(農業振興地域ではないため)
  2. 「法人」に農地を貸借する場合の条件
    以下のいずれかを満たすこと。
    ・農地所有適格法人
    ・農業従事者を常勤で雇用するNPO法人
  1. 農地貸借の方法
    以下の二つの方法がある。
    ・農地法に基づき農業委員会の許可を受ける
    ・農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村が定める農用地利用集積計画により利用権設定を行う

大前提として、農地を貸し出すには借主が農家でなければいけません。

さらに、借主は貸主の農地から通作距離範囲内でなければいけません。

なので、貸主の農地の周辺に高齢者しかいない場合、借り手が見つからないので、個人の賃借は絶望です。

法人に貸し出す場合でも、農地所有適格法人は通作距離範囲内にないといけません。

私の農地周辺にはそういった法人はないので、法人の賃借も絶望です。

農地貸借のマッチングサービスにおいても農地賃借は農地法に基づく許可が必要です。

マッチングサービスの一つとして農地バンクがありますが、西宮市では利用不可です。

つまり、限界集落の農地の賃貸借は不可となります。

農地の転用

農地を所有する者は農地法に従わないといけません。

農地を別の用途に使用したい場合(転用)、県知事または農業委員会の許可が必要です。

農地を転用できるかどうかは、農地が市街化区域かどうかによって変わります。

基本的に農地の転用は以下のようになります。

  • 市街化区域の農地: 転用可能。ただし、農業委員会の許可が必要
  • 市街化調整区域の農地: 転用不可。ただし、県知事から許可が出れば転用可能

限界集落の農地は基本的に市街化調整区域にあるので、農地の転用は不可となります。

農地の規模拡大による生産効率化

限界集落の農地は、時代の変化に対応せずに昔ながらのスタイルで農業を続けています。

一次産業として生産しており、六次産業の視点で生産できていないため、生産効率が非常に悪いままです。

限界集落の農業は競争力がないため、市場価格についていけず、今では赤字で趣味で農業を営んでいるのが現状です。

小さな農地を集約し、規模を拡大し、生産効率を上げる必要があるのですが、それには以下条件が必要です。

農地の規模拡大の条件

  • 広大な平地
  • 車の乗り入れが可能
  • 農家の同意

広大な平地でないと集約化できません。

車の乗り入れが出来なければ商業ベースで収穫はできません。

そもそも農家の同意がなければ農地を集約化できません。

これら条件をここ老害限界集落の西宮市船坂に照らし合わせてみます。

まず、広大な平地ではありません。生産効率の悪い段々畑です。

車の乗り入れはほとんど出来ません。

乗り入れ可能な範囲であっても高度な運転技術が必要です。

車

道路の幅は軽トラックの車幅ギリギリで、少しの油断で溝に脱輪したり、1m以上の高さから落ちて転倒してしまいます。

そもそも老害限界集落ですので、農家の同意は極めて困難です。

以上から、農地の規模拡大による生産効率化は不可能です。

農地の観光地化

老害限界集落の農地は基本的に耕作放棄地です。

農地

放置された田畑は雑草が生い茂っています。

農作物を作っている農家も一部ありますが、違法で貸し出していたり、その借主の管理がいい加減で荒れ放題になっている畑も見受けられます。

また、老害限界集落の農家の意思統一は不可能です。

よって、農地をある方向性で統一して美化し、観光地として活用することも絶望です。

限界集落の農地の活用 可能性

上述の通り、一般的な方法では限界集落の農地の活用は絶対に無理です

ただ、限界集落の農地を活用するアイデアが一つあります。

ドローンです。

農地を転用することなく遊休農地として残し、農地の上空をドローンを飛ばせば農地を事業として活用できるはずです。

もちろん、ドローンにはいろいろ規制があります。

最近の航空法改正により、ドローン機体をIDで管理、操縦士の免許制度導入が必要になるそうです。

ドローンを上空150m以上飛ばすには国土交通大臣の許可が必要です。

ですが、農地の上空にドローンを飛ばすのに農地法は関係ないはずです。

今ドローン熱が高まりつつあります。

特に、2021年2月に発売されたDJI FPVによって、これまで電波法の規制対象や操縦の難しさから参入ハードルの高かったFPVドローンの飛行が簡単になりました。

DJI FPV

ですので、このDJI FPVを自身が所有する農地上空を飛ばすことに許可はいらないはずです。

なお、この限界集落がドローン飛行禁止区域(人口集中区域等)かはマップで確認でき、私が所有する農地は禁止区域外です。ドローン飛行可能です。

それを事業とし、収益を得ることも許可はいらないはずです。

ドローン事業では、以下のようなレンタルサービスを提供します。

  • ドローン場
  • ドローン機体
  • ドローン操縦補助
  • ドローン動画撮影

ドローン操縦補助、ドローン動画撮影は教育事業でもあり、雇用創出にもなります。

ドローン

つまり、ドローンが老害限界集落の農地を活用できる唯一の希望です。

ただ、残念ながら、西宮市の限界集落の場合、農業委員会含め決定権を持つ様々な役人の怠慢により、唯一の希望の芽も摘まれているのが現状です。

西宮 船坂

西宮市の限界集落 船坂 過疎化の抑止と村再生が「絶望」である理由

2021年4月4日