目次
はじめに
海外在住者にとって、日本の電話番号を維持しつつ、いざという時にタイから日本へ安く電話をかける方法は、本当に重要ですよね。
特に、銀行や保険会社への連絡、日本のサービス利用時のSMSによる二段階認証のためにも、日本の番号は手放せません。
前回調査時の2023年以降、サービス終了や料金改定があり、状況は大きく変わりました。
この記事では、最新の状況を踏まえ、最強の2大候補とその運用方法を徹底解説します!
本記事の料金等の情報は、2025年11月19日時点のものです。
候補から外したサービスとその理由 (必読!)
まず、過去に検討されていたり、最近よく話題になったりするサービスが、なぜ今回の候補から外れたのかをご説明します。
1. 日本通信SIM / IIJmio / UQ mobileなどの格安SIM
これらのキャリアは日本国内での維持費は安くて優秀です。しかし、タイから日本へ国際電話をかける際は、国際ローミング料金が適用されてしまいます。
-
タイから日本への発信(30分): 約5,250円
「年間の半分を日本で過ごすから」といっても、タイ滞在中に30分間の緊急通話が発生しただけで、この高額な料金がかかるリスクは避けられません。長時間の通話が必要な状況を想定すると、残念ながら候補にはできません。
2. 最近話題のeSIM(Airalo、Nomad SIMなど)
最近主流になっている海外用のeSIMのほとんどは、データ通信専用です。
-
日本の電話番号(070/080/090)を取得・維持できません。
-
SMS認証が使えません。
現地でのデータ通信を安く利用するのには最適ですが、日本の番号維持や音声通話の用途では、楽天モバイルやpovo2.0の直接的な競合にはなりません。
3. LINE Out / Skype
-
LINE Out: 2023年5月31日にサービスが終了しています。
-
Skype(個人向けサービス): 2025年5月5日にサービスが終了し、Microsoft Teamsへ移行することが発表されています。
発信コスト削減の有力候補でしたが、長期的な利用ができないため、ブログ記事の推奨からは外します。
4. AIS
過去に非常に安価なプロモーション料金が見られましたが、2024年現在の公式な最新料金情報や、格安プロモーションが継続しているかどうかが確認できませんでした。料金が不明確なため、推奨する候補からは外します。
最強候補 1:楽天モバイル(Rakuten Link)
現時点でも、総合的な機能で言えば最も強力な候補です。
メリット:とにかく「無料」が強力
-
日本の電話番号を維持できる:月額料金の中に含まれています。
-
タイから日本への発信・着信が無料:専用アプリ「Rakuten Link」経由なら、タイから日本の固定電話や携帯電話への発信、日本からの着信がすべて無料です。
-
SMS認証(発信・受信)も無料:日本のサービスに必要なSMS認証も無料で利用できます。
注意点:iPhoneユーザーは特に注意が必要です
-
iPhoneでの制限:iPhoneでは、Rakuten Linkを使っていても着信がOS標準アプリに来てしまい、着信が有料になることや、デュアルSIM運用時に非通知発信になる問題などがあります。
-
海外利用設定の仕様変更(重要!):2024年12月10日より、海外利用設定が自動で「ON」に変更されます。この設定は、OS標準の電話アプリ(有料)を使えてしまう設定なので、高額請求のリスクが高まります。
### 海外から日本に電話をかけるための設定
海外渡航前には、必ず以下の設定を行いましょう。この設定を間違えると、意図せず高額な国際ローミング料金が発生してしまう可能性があります!
1. my 楽天モバイルアプリでの設定(出発前必須)
my 楽天モバイルアプリで、以下の2つの設定をしっかり確認・変更してください。
| 設定項目 | 推奨設定 | 目的 |
| 海外ローミング(データ通信) | オン (On) | Rakuten Linkで無料通話をするためのデータ通信を確保します。(月2GBまで無料) |
| 国際通話・国際SMS(海外でOS標準の電話アプリ利用時) | オフ (Off) | OS標準アプリからの有料通話・SMSを遮断し、高額請求を防ぎます。 |
なお、国際通話・国際SMS(記載がない方)は、今回の「タイから日本への通話」とは直接関係ない設定です。日本から海外の電話番号へ国際電話をかけるのを許可するかどうかであり、タイから日本へかけるだけなら、この設定はどちらでも問題ありません。
2. スマートフォン本体での設定(OS設定)
ご利用のスマートフォンの設定アプリからも「データローミング」をオンにします。
| 機種 | 設定手順 |
| iPhone | 「設定」>「モバイル通信」>「通信のオプション」>「データローミング」をオン |
| Android | 「設定」>「モバイルネットワーク」>「SIM」>「ローミング」をオン |
3. 渡航前の最終確認
タイに出発する前に、必ず日本国内で楽天モバイル回線に接続し、Rakuten Linkアプリの認証(利用開始設定)が完了していることを確認してください。これが済んでいないと、海外でアプリが使えません。
現時点でも、総合的な機能で言えば最も強力な候補です。
最強候補 2:povo2.0 + IP電話で賢く運用
楽天モバイルの維持費を安く抑えつつ、日本の番号維持と低コストな発信を両立させるのがこの組み合わせです。
① povo2.0の役割:日本の番号を維持する
povo2.0の魅力は、何といってもその維持費の安さです。eSIMにも対応しています。
-
維持コスト: **180日ごとに330円(税込)**のトッピング購入で日本の電話番号とSMS受信機能を維持できます。(実質、年間約660円!)
-
できること:
-
日本の電話番号(070/080/090)を最低コストで維持できます。
-
SMS認証の受信は無料で利用できます。
-
② IP電話の役割:発信コストを低く抑える
IP電話サービスを使って、発信コストを格安に抑えます。
-
候補: My 050、SMARTalk など(月額基本料無料のものを選びましょう)
-
できること:
-
タイから日本へ安く発信できます。(日本国内への通話は格安)
-
-
できないこと:
-
発信時に日本の携帯番号(070/080/090)は表示されません。(050番号が表示されます)
-
このIP電話の番号は、SMS認証には使えません。
-
運用方法のポイント
-
povo2.0をeSIM、現地のSIMを物理SIM(またはその逆)でデュアルSIM運用します。
-
データ通信は現地のSIMで安く大容量を確保します。
-
電話番号の維持とSMS認証はpovo2.0に任せます。
-
タイから日本への発信はIP電話アプリから行います。
【決定版】どちらを選ぶ?2つの最強候補を徹底比較
どちらの候補が自分に合っているか、決定的な違いを見てみましょう。
| 比較項目 | 楽天モバイル(Rakuten Link) | povo2.0 + IP電話 |
| 日本の番号(070/080/090)維持 | ⭕ 月額料金内で維持 | ⭕ 年約660円で維持 |
| SMS認証 (受信) | ⭕ 無料 | ⭕ 無料 |
| タイ→日本 発信 | ✅ 無料(Rakuten Link) | ❌ 有料(IP電話で格安発信) |
| 発信時の番号 | ✅ 日本の携帯番号 | ❌ 050番号 |
| タイ←日本 着信 | ✅ 無料(Rakuten Link) | ❌ 高額(国際ローミング料金) |
| 月額維持費(最安) | 1,078円〜 | 年間約660円〜 |
あなたに合うのはどちらですか?
-
楽天モバイルがおすすめの人
-
日本の番号で、無料で発着信をしたい人。
-
特に日本の番号からの着信が頻繁にある人(銀行、証券会社など)。
-
運用が複雑になるのが嫌な人。
-
-
povo2.0 + IP電話がおすすめの人
-
とにかく維持費を安くしたい人。
-
日本の番号はSMS認証のためだけに維持したい人。
-
日本の番号からの着信は一切受けない人。
-
ぜひ、あなたの海外滞在スタイルに合わせて、最適なプランを選んでくださいね!
タイのSIMに「国際電話」はついているか?
データ通信用にはタイのSIMを使うのが最もコスパが良いですが、「タイのSIMに「国際電話」はついているか?」が気になり、Geminiに確認しました。
結果、「国際電話〇〇分無料」というパッケージは、タイのツーリストSIMには基本的にない、とのことです。
例えば、コスパの良いタイのSIMをTrip.com タイ で探してみます。
Trip.comのサイトの「遊び・体験」にたくさんのパッケージが表示されます。
でも、これらパッケージには「国際電話〇〇分無料」といったものはついてないです。
代わりに、こうするといいとのことです。
タイのSIM(dtac, True, AISなど)には、**「100バーツ分(約440円分)の通話クレジット(チャージ残高)」**があらかじめ含まれていることがほとんどです。
これを使って国際電話をかけることができます。
仕組み: 「無料通話分」があるのではなく、「100バーツのお金が入っている」状態。
どれくらい話せる?: 日本への通話は、だいたい 1分 6〜7バーツ(約25〜30円)程度です。
つまり、最初に入っている100バーツで、約14〜15分 日本へ電話できます。
もし「日本へ電話したい」という理由が、お店の予約や緊急連絡などで「10分、15分あれば足りる」のであれば、Trip.com で売っている通常の「通話付き(100バーツ分込み)」のSIMで十分まかなえます。
なので、「国際電話専用のプラン」を必死に探す必要はないとのこと。
どのプランが良いかはAIに相談するといいでしょう。
私の場合、タイではタイ電話番号を維持していて、そのSIM(AIS)を使ってデータ通信するので、タイのSIMは調査する必要がないです。
でも、ベトナムには行くので、ベトナムのSIMは調べていてすでにTrip.comで購入済みです。
【ベトナム】4G/5G SIMカード(ダナン国際空港での受け取りまたはホテル配送)
ついでなので、そのベトナムで使うSIMと同等のものがないかをGeminiに以下のように聞いてみました。
タイで30日間スマホで使えるSIMを探している。
Trip.com で検索したところ、SIMパッケージが多すぎてよく分からない。
なお、ベトナム ダナンでは以下のSIMを利用する。商品:現地で引換え/ 30日/ [Vinaphone] 6GB/日+通話可能
金額:1,469円
内容:
4G/5G SIMカード(1日あたり6GBのデータ)
2000分のVinaphone国内モバイル通話
200分の非Vinaphone国内モバイル通話
SIMカードの有効期限: アクティベート後27~30日間
ダナン国際空港の国際線到着ターミナルで有効このベトナムで使うSIMと同等の内容の物を探したい。候補をあげて。
で、Geminiはこういった回答でした。
ベトナムのSIM、ものすごく条件が良いですね!1日6GB(月間180GB相当)に加え、通話も2000分ついて約1,500円というのは、正直なところ**「破格(神コスパ)」**です。
まず結論からお伝えすると、タイで「このベトナムSIMと全く同じ条件(30日間・超大容量・大量の通話)」を「同じ金額(約1,500円)」で探すのは、今の相場ではかなり難しいのが現実です。
・・・
・・・
ベトナムのSIMほどコスパは良くないものの、まあまあ良いパッケージがタイにもありました。
続きはご自身でGeminiとTrip.comでお確かめください。
補足: 0570ナビダイヤルには海外から電話できません
タイから日本へ電話をかける際に、絶対に知っておくべき重要な注意点があります。
0570は「日本国内専用」です
0570から始まる「ナビダイヤル」は、企業が全国共通の窓口として使う番号です。このナビダイヤルの仕組みは、日本国内からの発信を前提としているため、国際電話からは接続ができない仕様になっています。
つまり、タイから日本のナビダイヤルに直接かけようとしても、電話はつながりません。
クレジットカード付帯の保険連絡先でも使われる?
ナビダイヤルは、企業のカスタマーサポートやコールセンターで広く使われているため、一部のクレジットカード会社や保険サービスで、国内の問い合わせ窓口として0570が使われているケースはあります。
しかし、ご安心ください!
海外旅行傷害保険など、海外からの緊急連絡が想定される重要なサービスの場合、必ず「国際電話対応の代替番号」が用意されています。
-
国内からの案内: 0570-xxx-xxx(ナビダイヤル)
-
海外からの案内: +81-3-xxxx-xxxx や +81-6-xxxx-xxxx など、03や06から始まる一般の電話番号
緊急で電話をかける際は、必ずクレジットカードの裏面や公式ウェブサイトで**「海外からのお問い合わせ先(国際電話用)」**の番号を探してから発信するようにしてくださいね。






