本記事は過去の以下2つの記事の改訂版です。
一つの記事にまとめて、さらに以下変更を加えています。
- 医療専門用語でAIを活用
- 文章の整理
体験談の内容はそのままです。
目次
タイ パタヤで気管支炎
タイ パタヤで気管支炎になりました。
咳が止まらなくなる症状です。
咳が出始めたのは2022年1月末で、初めて病院に行ったのは4月20日です。
詳細については、以下記事にまとめています。
この投稿後からさらに3回通院したので、最終的にこうなりました。
通院回数: 6回
治療費合計: 15,083バーツ(57,014円, レート: 3.78円/バーツ)
(2022年4月, 5月)
国民健康保険の海外療養費 支払い申請
2023年3月、日本に帰国しました。
気管支炎の病状はというと、帰国時にははほぼ治っていて、帰国から約2ヶ月後の4月末は咳はごくたまに出るぐらいで完治に近い状況でしたので、日本で通院する必要はなかったです。
帰国から週週間後の3月末、必要書類を揃えて国民健康保険の海外療養費支払い申請しました。
国民健康保険を利用した理由
海外旅行時の現地での治療には、クレジットカード付帯の海外旅行障害保険を利用するのが最適です。
今回、さっきの以下記事でも書いてるようにそうしてます。
ですが、クレジットカードの保険会社に問い合わせたところ、保険の適用条件を満たして最初に病院に行ったのが症状発覚後だったため、クレジットカード付帯の保険が適用できるかは分からないという回答でした。
「帰国後に申請を」との回答から、念のため、国民健康保険の手続きをしておくことにしたという次第です。
海外療養費支給申請方法
国民健康保険の海外療養費支給申請方法や必要書類等については、「○○市 海外療養費 申請」でググると出てきます。
今はAIに聞けば簡単に情報を入手できます。
海外療養費支給申請方法含め、国民健康保険(国保)を海外で活用する方法とそのメリットを以下記事にまとめたので、まずはこの記事を読んでください。
海外療養費支給申請スケジュール
私の海外療養費支給申請スケジュールはこんな感じでした。
- 2023年3月6日
申請資料を持って市役所の国民健康保険課に行き、資料確認と相談
→「日本語翻訳が必要。それ以外はOK」と回答 - 3月28日
日本語訳の資料を作成し、国民健康保険課に行き、資料確認と提出
→ 提出完了 - 4月26日
提出から1ヶ月経つが、市役所から連絡なし
申請が認められると、申請した月から3,4ヶ月後に医療費が支給されるとのこと。
医療費が高額な場合、5,6ヶ月後になるそうです。
他要点をまとめるとこんな感じです。
- 医療費を支払ってから2年以内のものについて請求できる
- 国民健康保険の支給額は、日本で同治療を受けた場合の医療費の7割
- 医療費は、支給決定日の為替レートを用いて円換算されて支給される
なお、医療費支給の入金を確認後、保険で補いきれなかった残りの医療費をクレジットカード付帯の保険会社に申請する予定です。
その申請用紙はすでに入手済みです。
医療専門用語の日本語翻訳
提出する書類に日本語訳資料も添付する必要があったのですが、私の場合、自分で日本語訳資料を作りました。
翻訳に使ったツールは、Googleブラウザ(日本サイト、米国サイト)、Google翻訳だけです。
ただ、翻訳と言っても文章ではなく単語だけで、提出資料の説明文はすでに日本語訳も書かれてるので、大した作業ではなかったです。
翻訳で苦労した点は以下のようなことです。
- 走り書きの筆記体。読めない
- スペル間違い。ググっても見つからない
- タイの薬の名前。他国であまり使われていないのでググってもヒットしない
なお、2025年11月改訂時の今はAIで簡単に日本語訳資料が作れます。
次の通院時に備えて、Geminiに聞いて得た回答と補足説明もまとめて表にしてみました。
| 薬等の名称 | 私の日本語翻訳 | Geminiの回答 | 補足説明 |
| Acute Bronchitis | 急性気管支炎 | 急性気管支炎 | 修正なし。病名として適切です。 |
| Nasonex | ナゾネックス | ナゾネックス | 修正なし。商品名として適切です。 |
| Terco-D | Terco-D(タイの医療機関で使用) | Terco-D | 一般名ではないため、そのまま表記しました。 |
| Klacid MR (Clarithromycin) | クラリスロマイシン | クラリスロマイシン | 修正なし。成分名(一般名)として適切です。 |
| Bisolvon | ビソルボン | ビソルボン | 修正なし。商品名として適切です。 |
| Celebrry? | (不明) | (特定できません) | 修正なし。不明の場合はその旨を記載します。 |
| prednisolone | プレドニゾロン | プレドニゾロン | 修正なし。成分名として適切です。 |
| Outpatient Medication | 外来患者 治療 | 外来処方薬 | 病院の請求項目としては「処方薬」がより一般的で自然です。 |
| Standard diagnostic Imaging | 標準的な画像診断 | 標準的画像診断料 | 医療費明細では「〜料」とすることで請求項目として明確になります。 |
| Nursing and Midwifery Charge | 看護と助産費用 | 看護・助産管理料 | 「費用」よりも病院の請求項目として「管理料」が適切です。 |
| Other Medical Service Charge | その他医療サービス費用 | その他医療サービス費 | 「費用」よりも「費」の方が請求項目として自然です。 |
| Physician Evaluation and Management Services | 医師評価と管理サービス | 医師診察・管理料 | 「評価」はやや硬い表現のため、「診察」を含めた請求項目として一般的な表現に修正しました。 |
どうしても分からなかったものは不明で提出しましたが、これで受理されました。
Geminiの回答も「特定できません」だったので、走り書きの筆記体でスペル間違いの可能性大です。
医療費 全額支給
国民健康保険の海外療養費申請後、医療費の何割かを受け取ることができました。
また、クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険の方も申請し、こちらも入金を確認できました。
結果、タイ パタヤの病院で支払った治療費 自己負担額は0円。海外療養費(国保)と海外旅行傷害保険(クレカ)で全額払ってもらえました。
国民健康保険 海外療養費の支払い
支払い申請提出が完了したのは、2023年3月28日です。
その後、(不備がなかったことから)国保から連絡はなかったのですが、銀行口座に入金がありました。
入金日、入金額はこうなりました。
- 入金日: 2023年6月16日
- 入金額: 27,290円
この結果を考察してみます。
入金までの日数
申請から入金までにかかった日数は、2ヵ月半ちょっとでした。
国保からは、「申請が認められると、申請した月から3,4ヶ月後に医療費が支給」と聞いていたので、予定よりは早かったです。
入金額
申請した金額は、(上記リンク記事に書いてるように)15,083バーツ、57,014円でした。
この医療費合計は記入することなく、提出した病院からの請求書を一枚一枚電卓で合算し、通院当時の為替レート、3.78円/バーツで計算した値です。
で、入金額は27,290円でしたので、48%、約半分が返ってきたことになります。
なお、国保の自己負担額は3割なので、日本の病院で治療を受けた場合の国保の負担額の医療費7割は、39,910円です。
なのですが、これが以下理由から支給された金額の詳細はよく分からないことになってます。
- 入金の情報は銀行口座の履歴と決定通知書(ハガキ)
- 国保の支払いが2ヵ月分ない
1.は、国保に電話して聞いたのですが、明細書はないとの回答でした。
決定通知書は月毎に4回送られてきました。
ただ、振り込まれる金額のみが書かれていて内訳がなかったので、何の医療費にどういった計算からその金額に決定されたのかの詳細が不明です。
2.ですが、当然国保は毎月支払っているのですが、銀行口座の入出金履歴にはなぜか2ヶ月分国保の支払い履歴がないことに後で気づきました。
その金額は2,620円の2ヵ月分、5,240円です。
もしそれらを差し引いた額が今回入金されてたとしたら、27,290円 + 5,240円 = 32,530円になり、支払った医療費の57%が戻ったことになります。
クレジットカード 海外旅行傷害保険の支払い
クレジットカードの海外旅行傷害保険の方でも海外療養費の支払い申請しました。
ただ、かかった医療費の全額を申請するのではなく、国保から支給された金額を引いた金額で申請しました。
海外旅行傷害保険を適用させたクレジットカードはミライノゴールド(JCB)で、その保険会社、三井住友海上火災保険に申請しました。
申請日は、国保から入金があってすぐの2023年6月20日です。
なお、先に現地でクレジットカードの海外旅行傷害保険を使わなかった理由は、これもリンク記事で説明した通り、保険の適用条件を満たして最初に病院に行ったのが症状発覚後だったからです。
保険会社から「帰国後に申請を」と回答されたので、現地では国民健康保険の手続きをし、帰国後にそれを申請し、後でクレジットカードの方も申請した、ということです。
申請用紙は国保に申請後すぐに送ってもらっていたのですが、国保から支給がなかったので保留が続いてました。
「申請するなら早く申請して」といった感じで、2回申請書が送られてきてた状況です。
といったこともあり、国保からの入金確認後にすぐに提出しました。
その後、(不備がなかったことから)この保険会社からも連絡はなかったのですが、銀行口座に入金がありました。
入金日、入金額はこうなりました。
- 入金日: 2023年7月7日
- 入金額: 35,455円
この結果を考察してみます。
入金までの日数
申請書が保険会社に到着してから2週間後でした。
国保に比べてかなり早かったです。
入金額
今回の保険会社からの分と国保からの分を足した合計額はこうなりました。
35,455円 + 27,290円 = 62,745円
現地で支払った治療費合計は、15,083バーツ(57,014円, レート: 3.78円/バーツ)でしたので、5,731円多く受け取ったことになります。
その理由ですが、為替の影響でしょう。
保険の支払いには、支払い時の為替レートが適用されます。
支払い時は通院時よりも円安になってます。こんな感じです。
なので、その分多く受け取れたのだと思います。
まとめ
「国民健康保険は海外でも使える」を身をもって証明しました。
今回、タイで支払った医療費の約半分が返ってきました。もしかしたら6割近くかもです。
差額はクレジットカード付帯の保険会社から支払ってもらえました。
結果、自己負担額は0円となりました。
今回の結果から、順番が逆のパターンも出来るはずです。
つまり、先にクレジットカードの海外旅行傷害保険の方で支払い請求し、保険金額で支払いきれなかった超過分を国保で支払い請求するパターンでも可能なはずです。
なお、海外旅行傷害保険付帯の日本のクレジットカードの発行には住民票が必要です。
海外でも高額療養費制度が使える国保の保険費用は、住民税非課税世帯だと年間2.7万円です(保険料は自治体によって異なる)。
海外滞在でも日本に住民票を残しておくと、年間3万円前後で最高に手厚い健康保険に入れる、ということです。










